1. HOME
  2. イベント
  3. 古代の乗馬文化をたどる 横浜で企画展

古代の乗馬文化をたどる 横浜で企画展

 古代における乗馬の文化の受容と広がりを考える企画展「横浜の野を駆ける――古代東国の馬と牧」が横浜市都筑区の市歴史博物館で開催中だ。

 「牧」は牧場のこと。軍馬に用いたり、通信手段として重視されたりしたため、奈良~平安時代にかけて、日本の各地に馬を育てる牧が設けられた。中でも朝廷直轄の牧を「勅旨牧(御牧〈みまき〉)」と呼ぶ。展示は古墳時代における乗馬の風習の受容に始まり、幹線道路に設置された駅家(うまや)に置かれた駅馬やその周辺から出土する馬関連の遺物・遺構をたどっていく。

 四之宮下郷遺跡(神奈川県平塚市)から出土した「井」の字の焼き印や、厚木道遺跡第3地点(同)から出土した馬の骨など、興味深い遺物が多く、宮廷に献上された馬たちがどのように使われていたかを文献や絵画などで紹介して幕となる。

 横浜には石川・立野の2牧があったとされるが、展示はそれを越えた東国の馬文化を扱う。丹念で網羅的。企画者の誠実さが伝わる展示だ。21日まで、月曜休み。(編集委員・宮代栄一)=朝日新聞2019年3月6日掲載