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余白から「妄想」を引き出し、具現化 「直感と論理をつなぐ思考法」

 「これがやりたい!」という内発的動機で働くのを「自分モード」、「どうすれば他人が満足するか」ばかりを考えるのを「他人モード」と、戦略デザイナーの著者は呼ぶ。他人モードは次第に疲弊。著者も20代後半にうつで1年間休職を経験した。
 自分モードを取り戻すには、実現可能性は度外視して直感する「妄想」こそが起点となるとして、妄想を実際に具現化する方法を伝授する。
 妄想を引き出すには生活の中に余白が必要で、例えば、毎朝、余白の時間をつくり、紙のノートに自分の感情を言葉として吐き出す。複雑な世界をありのままに知覚するため、「その日の色」を決め、その色をしているものを見つけたら写真に撮ってみる。アイデアを実現する際は、試作品の「具体化→フィードバック→具体化」を反復し、「早めに失敗」をしておく等々。
 特徴的なのは、絵を描くなど「手を動かす」ことや、視覚・聴覚・体感覚など、身体性を重視すると同時に、言葉に落とし込む概念化も求めること。「イメージ脳」と「言語脳」を使う「両脳思考」だ。
 社員が「自分モード」に転換した方が企業にとっても成果に結びつく。もう一つの働き方改革の本でもある。=朝日新聞2019年4月20日掲載