早稲田大学坪内逍遥大賞の奨励賞に、文芸評論家で立教大准教授の福嶋亮大(ふくしまりょうた)さんが選ばれた。福嶋さんは17日の発表会見で、「文芸批評は文明批評でなければならない」と持論を披露。「文学が文学であるだけで意味を持つ時代は終わっている。文学の存在理由や意義をいかに再構築していくかが大事だ」と語った。
7回目となる同賞は、文化芸術活動に貢献した個人・団体を顕彰する。大賞は映画監督の是枝裕和さん。福嶋さんは、『復興文化論』から、日本と香港をとらえた共著『辺境の思想』、『ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』まで、幅広い批評活動が評価された。(中村真理子)=朝日新聞2019年10月30日掲載