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「まじないの文化史」書評 厄災除けのおふだの由来は

評者: 須藤靖 / 朝⽇新聞掲載:2020年07月11日
まじないの文化史 見るだけで楽しめる! 日本の呪術を読み解く (視点で変わるオモシロさ!) 著者:新潟県立歴史博物館 出版社:河出書房新社 ジャンル:哲学・思想・宗教・心理

ISBN: 9784309228037
発売⽇: 2020/05/19
サイズ: 21cm/119p

呪い、祈禱、結界、疫病除け…。古代から現代まで続く日本の呪術。身近にありながら、意外にそのルーツを知らない様々なまじないを、おふだとの関連から読み解く。新潟県立歴史博物館…

見るだけで楽しめる! まじないの文化史 日本の呪術を読み解く [監修]新潟県立歴史博物館

 まじないが科学的ではないことは理解しているつもりだ。しかしこの頃は両親の位牌を前に、家族や友人、世界中の人々の無病息災を毎日祈り続けている。
 自分では解決できない現実を目の当たりにした人間が何かにすがりたくなるのは、今も昔も変わらない。
 新潟県立歴史博物館での企画展「おふだにねがいを―呪符(じゅふ)―」をもとに書かれたのが本書。その企画の独創性に拍手を送りたい。
 災厄除けのおふだとして全国に分布している蘇民将来符(そみんしょうらいふ)。京都の祇園祭の厄除け粽(ちまき)はその一種で、疫病から免れるご利益がある。蘇民将来の由来を知るだけでも一読の価値ありだ。
 最近話題の妖怪アマビエの絵と共に蘇民将来子孫也と書かれたおふだを玄関に掲げれば、コロナウイルスも必ずや退散するだろう。
 「おふだや呪いを実践してみたい人に」参考文献まで載せる配慮が憎い。「あまりおススメはしませんが…、自己責任で」との科学的な注にも好感がもてる。