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「トミカ超図鑑プレミアム」 トミカの歩みは車の歴史とともに

「トミカ超図鑑プレミアム」(ポプラ社、監修・協力:タカラトミー)より

 2020年8月18日は「トミカ50周年」。そんな節目に取り上げたいのが「トミカ超図鑑プレミアム」です。これまでに発売した車種は1050以上、累計販売台数は6億7000万台超と、今ではミニカーの代名詞ともいえるトミカですが、誕生当時のミニカーといえば外国車が主流だったんだとか。そんな中、玩具メーカーのトミー(現・タカラトミー)が「日本の子どもたちに国産車のミニカーを届けたい」との思いから生み出したのが、トミカなんだそうです。

 本書では、歴代のトミカの中から厳選したものを50ページ以上にわたって年代別に紹介。どこかクラシカルな色や形の車が並ぶ70年代から、電気自動車も登場する2010年代まで、このカタログ部分を眺めているだけで、車のデザインのトレンドや技術革新の変遷を感じることができます。ほかにもスポーツカーやセダン、クーペなど車の種類ごとに見せるコーナーや、トミカの世界観が楽しめる「トミカワールド」なるジオラマ写真も収載。その種類の豊富さには驚かされます。乗用車だけでなく、パトカーや消防車、清掃車などの“はたらく車”もあるのが個人的にはツボです。

「トミカ超図鑑プレミアム」(ポプラ社、監修・協力:タカラトミー)より

 街中などで実際に目にする車がモデルになっているというところもトミカの魅力の一つ。見た目だけでなく、手にした時に車らしい重量感や金属感を感じてもらえるよう、製造方法や塗装方法にもこだわっているとのこと。さらにドアの開け閉めやサスペンション機能、エンジン音や振動が体感できる仕掛けなど、本物志向のつくりは子どもだけでなく、大人のコレクター魂にも火をつけます。親子でトミカをコレクションしてみるというのも楽しそうです。

 現在、トミカは常時140種をラインナップ。毎月新車が発売されてラインナップが入れ替わるうえに、プレミアムシリーズなどもあり、コレクションの甲斐は大いにあり。10年、20年後には“レアトミカ”となって、代々受け継いでいくような家宝となるものも出てくるかもしれません。