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【検定百景#30】聖書検定:クリスマスは、本当は何の日? 難解な知識を分かりやすく

(正解は記事の最後で!)

 「クリスマスは何の日でしょうか」という問いには、恐らく多くの人が「イエス・キリストの誕生日」と答えるでしょう。

 それは正しいのですが、聖書にはキリストの誕生日の記述がないため、のちの教会が12月25日に定め、礼拝を行うようになりました。「クリスマス」の言語学的な意味は「キリストの礼拝(ミサ)」です。

 このように、イエス・キリストの生涯をはじめとするキリスト教の原点については、日本では「なんとなく」知られてはいても、その細部についてはあまり伝わってはいません。先述のエピソードはキリスト教の歴史に関するものですが、「聖書検定」はキリスト教の正典である聖書に焦点を当てたもので、聖書を体系的に理解し、その真髄を知ることを目指す検定です。2017年にはじまり、現在までにおよそ1600人が受検しています。

 「受検をされる方は多岐にわたります」と、聖書検定協会の代表理事・村上芳さんは語ります。「一度は聖書を読んでみたい人、キリスト教系の学校への進学を希望される人や、芸術系の学校の人、教会に通い始めた人のほかにも、仕事や留学で海外に滞在することになった人が受検されるケースもあります。ヨーロッパ圏などでは、キリスト教の歴史や教義は社会の一般常識として定着しているので、コミュニケーションを円滑に行う上でも、キリスト教の知識は役に立つんですね」

 聖書自体は2000ページ以上もある難解なものですが、できるだけわかりやすく理解できるよう、公式テキストの構成にもこだわっているとも語ります。

 検定は2級~5級までは通信による筆記試験で行われ、飛び級はできません。そのため1級に合格するには、5級からスタートして最低5回は試験を受ける必要がありますが、そのぶん出題・採点はキリスト教主義学校の教師、超教派の牧師・信徒が丁寧に行い、正誤だけではなく模範解答を添え、より理解を深められるように配慮しているといいます。

「また、特定の教派やセクトに偏らず、プロテスタント、カトリックの両方に配慮するようにも心がけています」(村上さん)

 聖書検定にはオフィシャルブログも存在し、聖書のなかに存在するさまざまな言葉が紹介されています。ブログに少し目を通すだけでも、聖書への興味が広がっていくかもしれません。

例題にチャレンジ!

【問題1】
イエスの父ヨセフと母マリヤはユダヤ州の何地方の何という小さな村に住んでいましたか。
(     )地方の(     )という村

【問題2】
「キリスト」とはどのような意味ですか。

【正解】タイトル問題=ヘブライ語(へブル語)、問題1=ガリラヤ・ナザレ、問題2=油をそそがれた人(または、神に選ばれ、特別な使命をあたえられて、派遣された人)