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性格は変えることができる!? 「アドラー 性格を変える心理学」など注目の新書5選(朝日新聞2021年4月3日掲載)

「日本語の教養100」

 「詩のことば」では寺山修司の短歌を参照して「夏の淋(さび)しさ」を語り、「表記法あれこれ」では「混凝土」と書いてコンクリートとルビを振るなど外来語を漢字で表した例を考える。辞書の話やことわざの考察もあり、どこから開いても楽しめる「教養ショートショート100話」。
★今野真二著 河出新書・946円

「アドラー 性格を変える心理学」

 「あらゆる悩みは対人関係の悩み」とする心理学者アドラー。ベストセラー『嫌われる勇気』の共著者が、損と思われがちな性格やきょうだい順位に焦点をあてながら、性格は対人関係のなかで目的を持って自分が選んだもので、変えることができると説く。
★岸見一郎著 NHK出版新書・990円

「檻(おり)の中の裁判官」

 原発の運転差し止めを求める訴訟や、冤罪(えんざい)の可能性のある事件の再審請求などで、なぜ日本の裁判所は正義に反するような判断をしがちなのか。裁判官を33年間務めた大学教授が、最高裁が人事を握る構造的な問題に切り込み、弁護士らから裁判官を選ぶ法曹一元制度を提案する。
★瀬木比呂志著 角川新書・1034円

「歴史探偵 忘れ残りの記」

 1月に亡くなった昭和史の語り部の遺著。教育勅語・軍人勅諭・終戦の詔書の、勅語・勅諭・詔書の違いは?という話から、悪ガキ時代や勤めた出版社が銀座にあった頃の思い出、本紙連載「歴史探偵おぼえ書き」など、単行本未収録の文章を編む。絶筆となった「あとがき」も収める。
★半藤一利著 文春新書・935円

「日本の盲点」

 福島県いわき市生まれの社会学者で『「フクシマ」論』の著者による初めての新書。月刊誌への寄稿を基に、3・11、トランプ現象、地方創生などについての4年間の論考をまとめた。全編を貫くのは、自分の論理(内部)を乗り越え、互いの苦しみ(外部)に気づくことの大切さだ。
★開沼博著 PHP新書・1023円=朝日新聞2021年4月3日掲載