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新刊書店×古書店、狙う相乗効果 新たな本と出合う場を

書店の空きスペースを使った古本市=2021年5月8日午前11時27分、仙台市青葉区の金港堂本店、高橋昌宏撮影

 仙台市中心部のサンモール一番町商店街にある老舗の書店「金港堂本店」で、宮城県内の古書店10店による古本市が開かれている。新刊を扱う書店と古書店がタッグを組むことで、多彩な本と出合える場をつくろうと企画された。

 2階の会場には古書店ごとに本棚が割り当てられ、専門書や新書、雑誌などが並べられている。一見すると新刊書店だが、ひもで結んだ文学全集などが高く積み上げられ、古書店らしい雰囲気も醸し出している。

 金港堂は今年で創業111周年。発案した「book cafe 火星の庭」(仙台市青葉区)の前野久美子さん(52)は、震災以降、2階がほぼ空きスペースとなっていることが気になっていたという。市の中心部から地元書店が次々と消えるなか、その空いているスペースで古本市を開けないかと考えた。

 「新刊書店と古書店がライバル視するのではなく、一緒にやることでお客さんに新たな体験をしてもらえるのではないか」

 県古書籍商組合の仲間に提案すると、賛同者が集まった。金港堂の藤原直社長も「近年、喫茶や雑貨なども扱う複合的な書店が増えている。本との出合いが広がることで相乗効果を生み出せれば」と歓迎する。

 古本市は23日まで。前野さんは「年配の読書家が多く来場し、場の力を感じる」と語った。

(高橋昌宏)朝日新聞デジタル2021年05月10日掲載