>【ブックマちゃん】原田マハ『リボルバー』の回を動画で見る
すあま:今日は私がご紹介します。原田マハさんの『リボルバー』です。リボルバーは回転式の拳銃。こちらですね。(リボルバーのエアガンを取り出す)
めがね:なんで持ってんの!
すあま:私のエアガンコレクションからもってきました。この拳銃がどういうものだったら、めちゃめちゃ高額で買い取られると思う?
あくにゃん:そういう話なの?
めがね:すごい人が使ったとか、最強の殺人犯が使ってたとか。
あくにゃん:殺傷能力かデザイン性。
すあま:今回のお話で描かれているのは、めがねちゃんが言ってた方なんです。
あくにゃん:なんかもう悔しい(笑)。
すあま:原田マハさんってもともと美術館で働いてて、今回は「ゴッホの死」について深く取り上げた作品なんです。オークションの会社に勤めてる「冴さん」って人が働いている会社に「ゴッホが自殺で使った銃ですよ」って持ち込まれたんですよ。でもそんなの真実かどうかわかんないから調べ始めたら、「本当にゴッホは自殺だったのか」という疑念が生まれるのよ。そこからいろんなことが解き明かされていく、というお話なんですよ。
ゴッホとゴーギャン、2人の関係
すあま:ゴッホは絵が個性的過ぎて、その時代に全然売れなかったの。絵に対する情熱がめちゃめちゃすごいんだけど、でもちょっとかんしゃく持ちで病みがちというか、まぁ癖のある人なの。
めがね:天才気質だ。
すあま:テオっていう弟が美術商で、お兄さんの才能を認めていて絵を売り出そうとするんだけど、なかなかできない。だからゴッホは弟に頼り切りの人なのよ。絵を描くことだけが全て、みたいな。そんなゴッホと深い関わりを持った画家がいまして、これがゴーギャンという。聞いたことある?
あくにゃん:なんかよく聞くわ、ゴーギャンって。
すあま:ゴーギャンも有名ですよね。ゴーギャンとゴッホはですね、共同生活をして共に作品を作るんですよ。
めがね:うわー、クリエイター同士の共同生活でうまくいったことないんじゃない?
すあま:そうなんですよ! 実際、2カ月で大げんか。この時に伝説の事件が起こるんですよ。
めがね:(自分のこめかみに、手でつくった銃を当てる)
すあま:早い早い。ゴッホの耳切り事件。
あくにゃん:知ってる、それ!
すあま:けっこう有名な話だよね。喧嘩して、ゴーギャンが「出て行く、俺は」ってなった時に、ゴッホが「行かないで」って自分の耳を切り落としちゃうの。僕の思いはこれだけ重いんだって。それでゴーギャンはドン引きしちゃって。
めがね:恐怖でおどしたらだめだよね。わかるー。支配したらダメだよ。
あくにゃん:あれ、自分に落とし込んでます?(笑) あなたの中のゴッホが(笑)。
めがね:落とし込んでる。うん、ダメなゾーンに入ってる。
ゴッホの死の真相とは!?
すあま:ここまでが歴史的なお話なの。ゴッホは今の時点では自殺だったということになってるんですが、このお話の中では、そうでない衝撃の真相みたいなのが描かれてるんですよ。これは史実に基づいた創作で、だからこそめちゃめちゃリアルなのよ。もしかしたらゴッホは、自殺じゃなかったのかもね? みたいな部分をほのめかしながら、終わるのよ。そこがやっぱりわくわくするというか。
あくにゃん:なんかロマンだね。海外の画家っていうのがまた距離感があって、それをつなげる日本人の主人公がいるのもいいよね。
すあま:そうなんですよ。美術好きにはたまんないと思います。あとはミステリー好きな方も最後の真相には驚かされると思うし、私みたいなどろどろした話が好きな人もゴーギャンの独白の章は絶対にはまると思うので、ぜひ読んでみてください。
あくにゃん:(表紙のゴッホの絵の)「ひまわり」はゴーギャンのために描いたの?
すあま:そうなの! 共同生活を始めます、ってなった時に、ゴーギャンの部屋に「ひまわり」を飾ってたの。
あくにゃん:それを表紙に持ってきて『リボルバー』ってタイトルつけるの、何か皮肉だね。