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現代短歌大賞の小池光さん「短歌には人をくっつける力がある」 授賞式で50年の歩み語る

現代短歌大賞を受賞した小池光さん

 現代短歌大賞(現代歌人協会主催)の授賞式が12月下旬、東京都内で開かれ、小池光さんの第11歌集『サーベルと燕(つばめ)』(砂子屋書房)並びに過去の全業績に贈られた。

 選考委員を務めた栗木京子・現代歌人協会理事長は、受賞歌集から〈ミケランジェロ「ピエタ」の指にもウイルスはひめやかにして迫りつつあり〉を引用。「時間や場所を大きくまたいだ発想のダイナミックさ、緻密(ちみつ)さ。小池さんがコロナ禍を詠むと、こういう格調高い歌になるのか」と語った。

 同じく選考委員の小島ゆかりさんは〈鼻毛出てる鼻毛を切れとむすめ言ふ会ふたびごとにつよく言ふなり〉という一首を紹介。「家族ならではの愛情表現。雑駁(ざっぱく)なリズム感がこの歌を生かしている」

 小池さんは「初めて短歌をつくってから50年。いろんな人に出会い、そのつきあいがおもしろくて今まで来た。短歌って、人と人をくっつける力がある。短歌とこれからもしばらくつきあって、また新しい世界をつくれるように励みたい」と述べた。(佐々波幸子)=朝日新聞2023年1月11日掲載