雑誌「文学界」電子版配信へ 芥川賞受賞の市川沙央さんも訴えた「読書バリアフリー」に対応
文芸春秋は４日、同社が発行する月刊文芸誌「文学界」の電子版を、７日発売の９月号から新たに配信すると発表した。電子版は１７日に配信が始まる。同誌５月号には作家、市川沙央さんの小説「ハンチバック」が掲載され、７月には芥川賞の受賞が決まっていた。
市川さんは筋力が低下する難病の先天性ミオパチーを患う重度障害者で、芥川賞の記者会見で「読書バリアフリーを進めてほしい」と訴えていた。「文学界」編集長の浅井茉莉子さんは「偶然ではありますが、このタイミングで『文学界』電子版の配信をスタートできることをうれしく思います」とコメントした。
電子版は、画面や文字の大きさに合わせて文章が流動的に表示される「リフロー型」。今後は紙の雑誌の発売から数日内の配信を予定しているという。（山崎聡）＝朝日新聞2023年8月9日掲載
