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BL初心者にもおすすめ「彼のいる生活」 原作もドラマも“きゅん”がいっぱい!

© 宮田トヲル・libre/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

初々しい2人にムズきゅん必至♡

岩本:『彼のいる生活』は宮田トヲルさんのデビューコミックスですよね。

【あらすじ】
俺が振られる時の決まり文句、「他に誰か好きな人いるでしょ」なんだわ
大学デビューをもくろむ夏川涼太はひょんなことからキラキラオーラをまとった幼馴染、田中一仁と同居することに。性格良し、ルックス良しの超優良物件の一仁にはなぜか彼女が居ない。原因探しに付き合う夏川だったが、ダメ出しする箇所ナシ!そんな折、一仁の意味深発言によって状況は一変し…!? 意識しまくりの二人暮らしの行方は――?
『彼のいる生活』作品紹介より

井上:宮田トヲル先生はこれまでにたくさんの人気作を出されているんですけど、このデビュー作自体はめちゃくちゃ王道を走っている作品なんですよ。だから“BLことはじめ”にもぴったりかなと思います。本当に初々しくて、頭の中で「ムズきゅん」ってカテゴライズをしています(笑)。ちょっとムズムズする“きゅん”で、淡い感じのBLが繰り広げられる作品です。

宮田トヲル『彼のいる生活』(リブレ)

岩本:夏川は、高校時代は主夫のような感じで家事や妹の世話で忙しく、青春って感じのことをしてこなかったので、恋愛についてはかなりウブなんですよね。これが「好き」という感情なんだと、夏川がだんだん気づいていく過程にきゅんとしちゃいます。

井上:一仁の方もこんな思いを抱くのは初めての経験で、お互い「どうしたらいいんだろう?」というところから始まっていくので、読んでいる側がちょっと恥ずかしくなってしまうくらい。でも、2人の恋の行く末が気になって読まずにはいられないという。

岩本:一仁はすごいですよね。だって小5から夏川のことが好きで、その思いをずっと秘めたまま、8年思い続けたって。

井上:個人的には、そういうキャラクターの初々しさを「かわいさ」という形で表現できるのが宮田先生の最大の魅力かなと思っています。いろんな作品でそれが感じられるんですけど、改めてこのデビュー作を読み返してみて、ここが原点だったのかと再認識しました。宮田先生は、未知との遭遇というか、初めての感情や初めての出来事に対してアワアワするときの表情をめちゃくちゃかわいく描ける人だなと。そこがやっぱり読者にはもうめちゃくちゃ刺さるんですよね。

岩本:井上さんの中で一番“きゅん”ときたポイントってどこですか。

井上:夏川が一仁に手厚く看病される場面で、「彼女にこんなことしたことない」という一仁の意味深な言葉に夏川が翻弄されるところがいいですね。夏川が「それって、つまり俺のことが好き?」と深読みして、「まじかあ…」ってなっている顔がめちゃくちゃかわいい! 「まじかあ…」という感情が顔に100%表現されています。

岩本:確かに意味深な言い回しでしたよね。受け取りようによっては「俺のこと好きなの?」とも思える。でも一仁がはっきりとは言ってないだけに、自分の勘違いだったら恥ずかしいなと思いながら、直接は聞けずに悶々としている夏川がすごいかわいいです。

井上:一仁は罪な男ですよ(笑)。

岩本:あれ、本人無意識でやっていますよね。

井上:真面目なんですよね。やっぱり一仁は夏川のことが大事で、丁寧に接しようとしすぎて遠まわしになっちゃう感じ。

 あと、きゅんとは別なんですが、何回か読み返して気になったのが、コミックスの26ページ。一仁がすぐに彼女に振られてしまう原因を夏川が彼女目線で探るくだりで、映画を見に行った2人の何気ない会話シーンがあって、「このシリーズお前も好きなの?」と夏川が一仁に聞くと「…うん 好きだ」と答える。会話の流れはすごく自然なんですけど、この「好きだ」というコマだけが意味ありげに別のコマで切り出されているんですよね。

岩本:(コミックスを確認して)おお! ほんとだ。ただの雑談という感じなのに。

井上:この「好きだ」って、会話の流れからの「映画が好き」という意味じゃなくて、一仁が夏川に対する自分の思いを何か言葉にしたんじゃないかな、と。なかなか2人とも「好き」って言わないのがミソの話なので、ここの「好きだ」はなんか意味があるんじゃないかって思ってしまいます。いつか宮田先生にこのコマの真意を聞けるといいなぁ。

壁よりも「とんかつになりたい」

岩本:今こうして話している時点では、ドラマは2話まで放送・配信されていて、かなり原作に忠実ですよね。

井上:原作そのまんま、あの2人が動いていると思いました! 夏川がちゃんとかわいいんですよね。ちゃんとかわいくて、ここがミソだっていうところを押さえている。2人が暮らすマンションの一室を定点カメラでずっと見ていられるなーって思いながら、ドラマを見ていました。

岩本:多分あの部屋の壁になりたいっていう人は結構いるんじゃないですかね。

井上:そうですね。でも、だったら僕は、第2話の最後、一仁の気持ちを確かめようと「俺にキスできる?」って聞く夏川の横にあるとんかつになりたい(笑)。

岩本:揚げられて食べられちゃってもいい、と。あのときのとんかつだったら、私も確かになりたいかも(笑)。

 あと、ドラマオリジナルの部分でいいなと思ったのが、第2話で2人が朝ごはんを食べながらテレビ番組の星占いコーナーを見ているシーン。夏川が自分の星座が最下位で落ち込んでいるのもかわいいし、夏川がラッキーアイテムのミモレットチーズを知らなくて2人して笑い出しちゃうところもいい!

ドラマ「彼のいる生活」第2話より © 宮田トヲル・libre/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

井上:あのミモレットチーズのくだりがちゃんと回収されるのがすごいですよね。

岩本:ですよね。占いで一喜一憂する姿を見せることで夏川のかわいらしさを表現しようとちょっと付け加えたくらいなのかなって思っていたら、意外とそこがちゃんと回収されてびっくりしました。ネタバレしちゃいましたけど、まだ見ていらっしゃらない方は、ぜひ配信などで見ていただき、このムズきゅんを味わっていただきたいです!

井上:あと、原作を読んでいるときから、お互いの名前の呼び方が苗字と名前でバラバラなのが気がかりだったんですけど、もしドラマを見ている方でちょっとモヤモヤしている方がいらっしゃったら、2人のその後を描いた番外編(『そのあと。~彼のいる生活 after story~』)を読んでいただくとスッキリするし、より楽しめるかなと思います。

岩本:ドラマも楽しみつつ、原作コミックスもぜひあわせて読んでみてほしいですよね。ドラマは序盤なので、最終話はどういうふうに着地するのか気になります。付き合って終わりなのか、ちょっとその先まで描かれるのか、楽しみです!

きゅんきゅんしっぱなしなBL語りを音声でも!