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「デヴィッド・ボウイ、その人生」書評 神か天才か、生から死への軌跡

評者: 横尾忠則 / 朝⽇新聞掲載:2026年02月21日
デヴィッド・ボウイ、その人生 著者:ディラン・ジョーンズ 出版社:亜紀書房 ジャンル:アート・エンターテイメント

ISBN: 9784750518688
発売⽇: 2025/12/25
サイズ: 21.7×4cm/560p

「デヴィッド・ボウイ、その人生」 [著]ディラン・ジョーンズ

 ★デヴィッドはかわいがられ、大事にされて育ちました★模倣するのがとても上手でした★自分は成功すると心に決めてたみたい★自分のイメージをとことんまで演じきらなきゃいけないと感じてた★笑うときはお日様みたい★いつもちょっと突飛だった★彼には魅力のオンオフを切り替える才能があってね。人の多い場所で彼と居合わせて、彼を見つけられないこともある★同性愛に何の抵抗も感じてなかった★ウォーホルにあれほど強く入れ込んだのは、ウォーホルには変容する力、盗む力があったからだ。オリジナルであるかを気にしないところもね★アンディから学んだんだ。無名であること。ならば何者にもなれる★ボウイは黒人女性が大好きだった★デヴィッドはビジネスを何ひとつわかってなかった★僕は放蕩(ほうとう)者の世界を作ろうとしていたんだ★人として、デヴィッドはかなり謎めいてると思った★私たちの結婚生活は、デヴィッドを世界的なスターにするために結んだパートナーシップだった★若いころの彼は方向性が定まっておらず、あらゆることに手を出していた★真実に手を伸ばしていたが、真実と向きあいたくない部分もあった★デヴィッドは新しいものを生み出して、それを捨てた★ボウイはときに、「ひとつは大衆のため、ひとつは自分のため」という方針を取ることがあった★ミュージシャンであるよりアーティストでありたかった★好奇心が強くて落ち着きのない性格は、彼が彼であるために絶対に欠かせなかった★ボウイは神で、天才で、史上最高のミュージシャンだってことは頭の片隅で決して忘れなかった★三島が死んだとき、ボウイは東京にいた★死に取り憑(つ)かれていたとも言える★霊能者に会ったときに、六九歳か七〇歳で亡くなると告げられた★これ以上ないほど見事な死の演出をした★僕は自分の運命にすごく満足している★鋭い知性を独学で身につけていた★
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Dylan Jones 1960年生まれ。英国のジャーナリスト、作家。本書は182人の証言からボウイの人生を描き出した。
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菅野楽章監訳 安達眞弓訳