警察小説『ドラゴンスリーパー』(長崎尚志著、KADOKAWA・1728円)は、魅力的な主人公、先の読めない展開、驚きの謎解きがそろった作品だ。この著者による『パイルドライバー』の続編だが、さらにパワーアップした印象を受ける。
今回の主人公も神奈川県警の元刑事・久井(くい)重吾と若い刑事・中戸川俊介。久井は「パイルドライバー」(杭打ち機)の異名がある。取り調べが脳天に杭を突き刺すように鋭いからだ。県警の依頼で、退職後も捜査にかかわっている。相棒の中戸川はイマドキの若者で、自らの刑事としての適性に疑問を感じている。
物語は、久井の元上司が残酷な手口で殺されるところから始まる。未解決となっている十数年前の少女殺しと手口が似ていた。二つの事件をつなぐ糸は何か。中国を闇で操る秘密結社の存在が浮上し、県警の公安部門も不可解な動きを見せる。どんでん返しの連続で、息つく暇もない。
事件解決後のラストシーンは良質の映画のようで、余韻が残る。
(西秀治)=朝日新聞2018年5月12日掲載
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