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「3・11の未来 日本・SF・創造力」書評 戦後日本SFの総点検

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2011年10月09日
3・11の未来 日本・SF・創造力 著者:笠井 潔 出版社:作品社 ジャンル:小説・文学

ISBN: 9784861823473
発売⽇:
サイズ: 21cm/393p

3・11の未来 日本・SF・創造力 [監修]笠井潔、巽孝之

 科学を視野に入れながら、想像力の限りを尽くし、ありえるはずの未来や大災禍を描いてきた日本のSF作家にとって、東日本大震災の被害は簡単に「想定外」とは、語れない。小松左京が震災後に書いた「3・11以降の未来へ」を序文に掲げる本書は、日本を代表する多くのSF作家や評論家の座談会や文章で、この問題に真正面から向き合っている。
 それは、戦後日本SFの総点検であり、また、原子力の明るい未来をうたう「鉄腕アトム」と水爆実験でよみがえった「ゴジラ」の双方を愛した被爆国の戦後の優れた検証にもなっている。今、問われるのは、SF作家のみならず、我々の「想像力」のあり方ではないか。
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 作品社・1890円