江戸川乱歩は、こう書いている。「私は昔から自分に関する文献の蒐集(しゅうしゅう)癖をも持っている」「自分が一番可愛いのだから、自己蒐集こそ最も意味があるのではないか」
そうしてスクラップした新聞記事や手紙などに自ら解説をつけ、製本もしたのが、『貼雑年譜(はりまぜねんぷ)』だ。それを限定200部、本体価格30万円で、限りなく現物に近い形で復刻した東京創元社の戸川安宣さん。「日本古書通信」を長年編集した八木福次郎さん……。ひたすら本を集める人たちに、自らも蒐集するライター・編集者が話を聞いたのが、南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)著『蒐(あつ)める人 情熱と執着のゆくえ』(皓星社・1728円)だ。
古本屋は「書かれたもの・時代が刻印されているものを、次の世代まで生き延びさせるための延命装置」といい、「古書日月堂」を営む佐藤真砂さんに、ほっとする。
「仮面ライダースナック」の袋から始まって、趣味の雑誌や実用本を集め続ける串間努さんの「蒐集家も高齢に至る前にコレクションをどう処分するかが今後の課題だ」という話は、ひとごとではない。(石田祐樹)=朝日新聞2018年9月1日掲載
編集部一押し!
-
本屋は生きている 緑の本棚(東京) 元生花店主が息長く育てる、本と植物の根深いつながり 朴順梨
-
-
一穂ミチの日々漫画 都会「箱の男」(第10回) 箱に隠された家族の闇は 一穂ミチ
-
-
インタビュー 「マンガ 赤と青のガウン」彬子さま×三宅香帆さんトークイベント 心情が際立つ漫画と日本美術の「余白」 吉川明子
-
小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。 苦節11年目の芥川賞・畠山丑雄さん「自分の小説と文芸界を信じてました」 小説家になりたい人が、芥川賞作家になった人に聞いてみた。(特別版) 清繭子
-
インタビュー 「ゲンロンy」創刊号、1万部突破 90年代生まれ、スマホ世代が新雑誌 朝日新聞文化部
-
ミュージシャンたちの読書メソッド MONO NO AWARE 玉置周啓さんが選ぶ4冊 生活の中の感覚を、本が呼び起こす 李恩知
-
インタビュー 平石さなぎさん「ギアをあげて、風を鳴らして」インタビュー 描いてわかった「シスターフッド小説」の魅力 PR by 集英社
-
インタビュー 江國香織さん「外の世界の話を聞かせて」インタビュー 頭の風通し良く、気持ちさっぱり自由になって PR by 集英社
-
インタビュー 【サイン入り本プレゼント】一木けいさん「嵐の中で踊れ」インタビュー 避難所で起きた再生の群像劇 PR by NHK出版
-
インタビュー 湊かなえさん「暁星」インタビュー 作家として「言葉」に向き合い、新たな扉開いた PR by 双葉社
-
トピック 【プレゼント】第68回群像新人文学賞受賞! 綾木朱美さんのデビュー作「アザミ」好書好日メルマガ読者10名様に PR by 講談社
-
トピック 【プレゼント】柴崎友香さん話題作「帰れない探偵」好書好日メルマガ読者10名様に PR by 講談社