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新書ピックアップ(朝日新聞2018年11月17日掲載)

『堀田善衞を読む』 

 『方丈記私記』で平氏末期と第2次世界大戦を重ねた作家は、アジアを歩きスペインに暮らして現代と歴史を往還した。「社会の各階層全部と付き合っていく話の大きさ」は「取りも直さず、あの方の人格」と池澤。宮崎は「物事に迷ったり、ぶつかったりした時には、堀田さんは今何を考えているのだろうと思う」。個人的な思いを込め人と作品を語る。
★池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿著・高志の国文学館編 集英社新書・886円

『大化改新を考える』

 教科書などで誰もが知る国家体制の変革で、人々の生活や社会の形はどう変わったのだろうか。王権に権力を集中する施策は、中央が諸国を統治するための交通網整備や異集団間のトラブル防止にも及ぶ。民衆を公民に編成する上で、婚姻の習俗なども変化を余儀なくされた。日本書紀を読み解き、出土した木簡など考古学の成果も加えた最新の研究から時代の実像を探る。
★吉村武彦著 岩波新書・907円

『沖縄報道』 

 辺野古新基地建設に反対する者を「非国民」とする言説の流布など、沖縄と本土の意識差は「分断」の域に達し、「沖縄差別」が横行する状況が生まれている。そこにはメディアが大きく関与している、とジャーナリズム論を専門とする著者は言う。なぜ、沖縄についてのフェイクニュースがあふれ、ヘイトが横行するのか――沖縄の新聞・テレビの歴史と現在、そして本土メディアの現状を検討し、打開の道を探る。
★山田健太著 ちくま新書・972円

『受験と進学の新常識』

 副題は「いま変わりつつある12の現実」。小学校から大学受験まで、教育ジャーナリストの著者が最新の動向をまとめた一冊。私大付属校進学の費用対効果は? 勢いのある学校や塾は? 海外大学受験の実際は?など、親世代が子どもだった当時とはまったく異なる実情を紹介する。
★おおたとしまさ著 新潮新書・821円