1000種以上もの水産物が食用として流通している日本。でも、ふだん食べている魚介類はほんの一握り、という人がほとんどなのではないでしょうか。
「美味しいマイナー魚介図鑑」は、そんな私たちの“選択的な”水産物の食べ方こそ、自然にやさしくないと説きます。知名度の低い「マイナー魚介」を食べることで、漁獲物が捨てられることや養殖用に消費される水産生物の量を減らせるのではないか。そのためには、まずはマイナー魚介を知ってもらう必要があるという思いから作られた図鑑です。
魚については、「深海魚」「遠洋・沖合回遊性の魚」「沿岸・浅瀬の魚」「淡水の魚」と生息域ごとに分類。そこに、貝やイカ、タコ、甲殻類などが加わり、およそ600種もの魚介を網羅しています。本書ならではなのが、マイナー魚介のおすすめの食べ方を紹介しているところ。著者のぼうずコンニャクさんこと、藤原昌高さんが実際に食べてみて美味しかったものを取り上げています。
個人的には、深海魚のリュウグウノツカイが食べられることにビックリ。塩焼きや唐揚げ、握り寿司にしてみると、まあまあよい味なんだそう。なかでも、藤原さんが「上等の味」と評するあらだし汁はいつか飲んでみたいものです。
意外な魚介類が実は食べられると知り、目から鱗となること間違いなしの一冊。釣り好きの人にもおすすめです。