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「世界の民族楽器図鑑」 珍しい楽器の音色が聴ける

 世界各地のさまざまな民族が独自に生み出し、演奏してきた民族楽器。それぞれの民族の歴史や文化と密接に結びついており、民族楽器を通じて異文化を体感することもできます。

 今回紹介するのは、そんな民族楽器およそ100種類をまとめた「世界の民族楽器図鑑」。

 本書は、民族楽器を「ザックス=ホルンボステル分類」という楽器の分類方法に基づき、音が出る仕組みで「弦鳴楽器」「気鳴楽器」「膜鳴楽器」「体鳴楽器」の4つに分類。仕組みや演奏方法、歴史などにも触れて各楽器を紹介しています。

 そのうち80種類の民族楽器については、紹介ページに掲載されているQRコードを読み込めば、楽器の音色を聞くことができる仕掛けが施されています。中には楽器の見た目と音のギャップがあるものも。

 例えば、インドやネパールに伝わる擦弦楽器「サーランギ」の音を聴いてみると、ずんぐりとしたフォルムから想像するに素朴な音かと思いきや、多様な音が出ることに驚かされます。なんでも、サーランギには「百の彩り(豊かな音の楽器)」という意味があるのだとか。

 ピアノやバイオリンといった、ふだん私たちが目にする楽器のルーツは民族楽器にあるとのこと。その形や演奏方法、音色から、それぞれの楽器の系譜を想像してみるのも楽しそうです。