我が家では数日前まで、ジグソーパズルブームでした。
仕事が落ち着いたらやりたいことリストの中にそれは入っていたのですが、1000ピース級になると、簡単に手を出すことが出来ません。
そんなある日、娘(受験生)が急にやってみたいと言い出し、パズルを買うことになったのです。
家族全員が好きな「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」にしました。居間のテーブルの上で展開しているため、気になって仕方ありません。いいなあ、楽しそうだなあ、と横から見ていると、一緒にやっていいという許可が出ました。
四半世紀ぶりとなるジグソーパズル、1ピース、パチンとはめただけで何と気持ちのいいことでしょう。つい夢中になりかけて、はたと気付きます。こんなことをしている場合ではない。一時間書いたら10ピース、と決めると、何だか仕事もはかどります。
旦那さんも参加して、一週間くらいで完成しました。達成感に包まれると、まだまだやりたくなり、新しいパズルを買いに行きます。「仮面ライダーシリーズ 栄光の昭和ライダー」と「仮面ライダーシリーズ 鮮烈の平成ライダー」の二つを選び、カラフルな平成ライダーの方から始めました。
3人全員が頭を突き合わせてパズルをすることはありません。それぞれが空いた時間や気の向いた時に、一人で取り組みます。それでも、徐々に完成していくパズルを眺めていると、力を合わせた成果だなと嬉(うれ)しくなりました。そもそも、家族の共同作業など、我が家ではこれが初めてだったかもしれません。
昭和ライダーも完成し、三つ並べて飾ると、なかなかの迫力です。今のところ、また新しいのを買おうとは誰も言い出しませんが、年内、もう1回くらいやりそうな予感です。
それでも、楽しみにとってあるガンプラは自分一人でやりたくて、二つ重ねた箱を眺めながら、毎日、パソコンに向かっています。=朝日新聞2019年7月10日掲載