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ほんとうに悪いのは外来種だけ? 「侵略!外来いきもの図鑑 もてあそばれた者たちの逆襲」

「侵略! 外来いきもの図鑑 もてあそばれた者たちの逆襲」(PARCO出版、絵・文:ウラケン・ボルボックス、監修:五箇公一)

 この夏、奈良県・大和川河川敷での目撃情報が相次いで報じられているヌートリア。見た目はカピバラに似た大型ネズミといった感じですが、緊急対策外来種に指定されていることからニュースになっています。

 外来種とは、本来はその地域に生息せず、主に人間の手によって別の地域から持ち込まれた生物のこと。彼らが新しい土地で繁殖し、在来種を絶滅に追いやったり生態系のバランスを崩したりするようになると、「侵略的外来生物」となってしまうこともあります。こう説明すると、悪者でしかないようにも思えますが、そもそも彼らはどこから、どのようにしてやってきたのでしょうか。そんな疑問に答えてくれるのが、今回取り上げる「侵略!外来いきもの図鑑 もてあそばれた者たちの逆襲」です。

 本書では、ヌートリアをはじめ、動物73種、植物3種の外来生物を紹介。国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室室長の五箇公一さん監修の下、外来生物の生態や日本に持ち込まれた歴史的背景などをユーモアたっぷりのマンガとイラストを交えて解説しています。

 外来種には、毛皮用(ヌートリアやミンクなど)かペット用(フェレットやアライグマなど)に持ち込まれた生物が多く、人間の都合で用無しとなったものが野生化しているケースが目立ちます。最近、都会でよく見かけるハクビシンは外来種かどうかがはっきりしていないものの、もとは毛皮用に台湾や中国から輸入・飼育されたのだとか。

絵・文:ウラケン・ボルボックス、監修:五箇公一

 一時の「かわいい」や流行などで人間に翻弄された外来種たちの姿に、いろいろと考えさせられる一冊です。彼らを通して、生き物や自然との付き合い方について改めて考えてみてはいかがでしょうか。