クリスマス、イルミネーション、大掃除、コミケ、紅白歌合戦……。「年末の風物詩」といって思いつくものは数あれど、筆者が個人的に入れたいのが「ロボコン(アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト)」です。テレビでロボコンを見ると、年の瀬を感じずにはいられません。未来のロボットエンジニアたちが頑張る姿は見ているだけで胸アツですが、ロボットの出来ばえにも驚かされます。
コンピューターや科学技術の進歩で急激に発展していったロボット工学の世界。私たちの生活を見渡してみても、お掃除ロボットやドローンなど、ロボットは身近な存在になりつつあります。
そんなロボットの歴史をはじめ、ロボットが動く仕組みやロボットの役割などとともに最新のロボットを紹介してくれるのが「未来を変える ロボット図鑑」です。本書には、家庭用から産業用までの最新ロボット36体を中心に、およそ100体ものロボットが登場。写真や図版が豊富なので、眺めているだけでワクワクします。
面白いのが、新しいロボットを生み出すためにロボット技術者たちが動物の研究を進めているということ。生き物の構造や習性などにヒントを得ているのだそうです。
たとえば、ボストン・ダイナミクス社の家庭用支援ロボット「スポットミニ」は、犬をモデルにしたヘルパーロボット。4本の脚には複数の関節があり、なめらかな動きができるようになっています。内臓センサーで障害物を避けて歩行することも可能。専用のアームを取り付けて「物を拾い上げる」「重たいドアを開ける」といった高度なこともできるのだとか。
本書を眺めていると、マンガや映画などフィクションの世界で描かれてきた「人とロボットが共生する時代」ももうすぐそこまで近づいてきているように思えてきます。夢とロマンがぎっしりつまった一冊で、ロボットとの未来予想図を思い描いてみてはいかがでしょうか。