お刺身、塩焼き、フライ、お寿司。さまざまな形で私たちの食卓を彩ってきた魚介類。日本さかな検定、通称「ととけん」は地域ごとの名物、漁の方法、また魚にちなんだことわざなど、さまざまな視点から魚を学ぶことのできる検定です。
その出発点は、日本人の「魚離れ」への問題意識にありました。もともと日本人の長年の食の友としての地位を占めてきた魚ですが、近年、若い世代を中心に「魚離れ」が広がり、2006年にははじめて、1人1日あたりの魚介類の摂取量が肉類をわずかに下回りました。また2009年以降、肉類との摂取量の差が広がり、近年では店頭に並ぶ魚の種類も特定少数に絞られてきています。日本人に「もっと広く、おいしく魚を楽しんでもらいたい」という思いから、「ととけん」はスタートしたのでした。
「ととけん」の魅力は、問題文の面白さにあります。例題を見てもわかるように、ほとんどの問題に、魚についてのさりげない説明やトリビアが加えられており、問題文を読むだけでも知識が広がっていきます。
また、3級では小学生でも気軽に受験できるように、難しい漢字にはルビをふる配慮もなされています。こうした特色について、日本さかな検定協会の桜井さんは「読むことで魚に興味を持ったり、“今日は魚を食べよう”と思ってもらえるような問題づくりを心がけています」と語りました。
実際、「ととけん」は小・中学生の受験者も多く、昨年の検定では、10歳の男の子が1級に史上最年少で合格したことも話題になりました。いきなり1級となると難しいですが、3級は比較的合格率が高く、また「魚にもっと親しみたい」人を対象としています。昔の子どもたちが愛着を持って魚を「とと」と呼んできたように、まずは魚の新たな一面を知り、より魚を好きになることから始めてみませんか。
例題にチャレンジ!
【問題1】
おいしくなる旬の時期にもあたる、11月11日がこの魚の日に制定されています。魚へんの漢字の“つくり”から11月11日となった、この魚を選びなさい。
- アユ
- サケ
- タチウオ
- ニシン
【問題2】
私たちの食卓になじみ深いこの貝がもっともおいしくなるのは3月から5月。酒蒸しにみそ汁、深川めし、クラムチャウダー、ボンゴレパスタなど、さまざまな料理で活躍する貝を選びなさい。
- アサリ
- サザエ
- ハマグリ
- ホタテガイ
【正解】タイトル問題=4、問題1=2、問題2=1