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太田肇『「超」働き方改革』など注目の新書5選(朝日新聞2020年8月1日掲載)

『「超」働き方改革』

 テレワーク、ノー残業デーなどの制度を充実させても、利用者は増えず実を結ばない。なぜなのか。組織論が専門の著者は、組織や集団に個人が溶け込む日本企業の構造に問題があると指摘する。個人を「分ける」ことをキーワードに、職場やキャリアの新しいあり方を提案する。
★太田肇著 ちくま新書・858円

『パワースピーチ入門』

 人の心を動かす言葉、パワースピーチ。コロナ危機は「リーダーの質をあぶり出す」という社会学者が、米ニューヨーク州のクオモ知事、メルケル独首相、安倍首相のスピーチを分析した(巻末に原文と邦訳)。普通の話し言葉で、論理を組み立て本質をストレートに語るのが大事だという。
★橋爪大三郎著 角川新書・990円

『街場の親子論』

 娘が6歳の時に離婚した思想家と、離婚で「死にかけのウサギの赤ちゃん」のように弱っていた父と暮らすことを決めた娘の往復書簡。思い出を語り始めると2人の気持ちのズレがあれこれとあらわになるが、すれ違いつつも互いを思いやる親子の姿にほっこりさせられる。
★内田樹、内田るん著 中公新書ラクレ・990円

『先端医療と向き合う』

 生命倫理、科学技術文明論を専門とする著者が、先端医療の現状と問題点をわかりやすく説く。生体移植、生殖補助医療、出生前診断、遺伝子検査……公的ルールの不備を指摘しつつ、提言では断定調を避けて「私たち一人一人」が「話し合いながら、よく考え決めていく」ことを促す。
★橳島(ぬでしま)次郎著 平凡社新書・880円

『変われ! 東京』

 隈氏が東京を語る都市論の第3弾。国立競技場や高輪ゲートウェイ駅など「大きな」建築を手がけてきたが、今後の可能性を感じるのは自身が作ったシェアハウスやトレーラーハウスのような「小さな場所」。大きなハコに人を閉じ込め続けた社会システムへの疑義を唱える序文が刺激的だ。
★隈研吾、清野由美著 集英社新書・946円=朝日新聞2020年8月1日掲載