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文学ムック「ことばと」が小説の新人賞創設 完成度より新鮮度に期待

 佐々木敦さんが編集長の文学ムック「ことばと」(書肆侃侃房〈しょしかんかんぼう〉)が「ことばと新人賞」を創設した。今年4月の創刊号も公募作品を掲載していたが、今後は年2回の毎号が発表の場になるという。

 なぜ新人賞なのか。理由は明快。「新しい書き手は、公募の新人賞から出てくるか、他分野から連れてくるか」。次号からは若手の劇作家や音楽家などに小説を書いてもらう試みも。音楽、映画、演劇、文学と幅広く批評し、新たな才能に注目してきた佐々木さんらしい。「他の文芸誌には載らない新しいタイプの小説を載せていく。完成度よりも新鮮度を優先したい」と話す。

 応募された394作品全てを読んだのは、読者像をつかむ狙いも。「最初なのでちょっとハードルが上がった」と、第1回の受賞作はなし。佳作に金名サメリ「道ジュネー」と永井太郎「残って拡散する響き」が選ばれ、10月15日刊行予定の2号に掲載される。(滝沢文那)=朝日新聞2020年9月19日掲載