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東京の「まちの本屋」4店 暮らしに根を張り、大型書店に負けない存在感

西荻窪「今野書店」

緑の看板が目印。

 JR中央線の西荻窪駅北口を出てすぐ、緑の看板でおなじみの今野書店。1973年から西荻窪に根を張り、2011年に現在の駅前に移転しました。地下がマンガ専門のコミック店、1階が雑誌や書籍を扱っており、今は西荻窪唯一の総合書店となっています。

 「西荻窪は本に造詣が深いお客さんが多い」と2代目社長の今野英治さん。話題の新刊から文芸や人文書など、幅広く網羅する店内。今春には書籍編集者をテーマにしたフェアを開催するなど、独自の取り組みで地元になくてはならない存在です。

 今野書店(東京) 西荻窪の駅すぐ、プロ中のプロたちに向き合う本のアドバイザー(好書好日)

千駄木「往来堂」

マンション1階にある、往来堂書店。

 東京メトロ千代田線の千駄木駅から根津方面に徒歩約5分。1996年にオープンした往来堂は。20坪ほどの小規模な店ながら、名だたる文豪たちが暮らしたことで知られる「谷根千」エリアの、本に詳しい地元住民たちに根強い人気があります。

 「本の中にも短期的にヒットする派手なものと、派手さはないけれど読み継がれているものがある。この両方が揃っているのが、本の魅力だと思います」と店主の笈入建志さんが話す通り、文庫や新書以外は取次からの配本を扱わず、漫画や雑誌もそろえたバランスよい棚作りが魅力の店です。

 往来堂(東京) 本好きの集まる谷根千で、地味に生活に欠かせないものを売る(好書好日)

青山「山陽堂書店」

表参道の交差点、谷内六郎の壁画が目印の山陽堂書店。

 高層ビルが林立する表参道の交差点にたたずむ3階建ての谷内六郎の壁画が目印の山陽堂書店は、明治元年に創業し、2020年に創業130年を迎えた老舗。現在の場所に移ったのは1931(昭和6)年で、太平洋戦争の空襲でも焼けずに残った歴史のある店です。

 代々、家族で経営しており、5世代目の萬納嶺さんは2階のギャラリーと3階の喫茶を担当。毎月の読書会「山陽堂ブック倶楽部」を運営したり、和田誠さんのイラストレーションをあしらったマグカップなどのオリジナルグッズも手がけています。「僕が本屋を続けたいと思ったのは家業だから。家族が続けてきたことを、いいかたちでちゃんと次の世代につなげるのが、自分の役割」

 青山・表参道で創業129年、老舗5世代目がギャラリーと珈琲店をはじめて変わったこと:山陽堂書店(じんぶん堂)

小石川「Pebbles Books」

既視感のある、グリーンの書棚が2階に。

 東京ドームや小石川後楽園に近い住宅街にあるPebbles Booksは、2018年に開業した細い道沿いの2階建て一軒家。1階と2階、合わせて18坪の広さに約1万5000冊をそろえています。1階に絵本と雑誌、小説などを置き、2階はアートやビジネス、岩波文庫など幅広いラインナップ。

 店主の久禮亮太さんは元「あゆみBOOKS」の従業員。緑の壁や棚は、かつて務めていた早稲田店や小石川店のカラーを受け継いでいます。「まだまだ店は作っている最中です。壁も塗りかけなんですよ」という店の進化に注目です。

 Pebbles Books(東京) グリーンの棚と壁。小石川の住宅街で、早稲田の本好きが受け継ぐ(好書好日)