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創文社の伝統、講談社がオンデマンド叢書で継承

 解散した老舗出版社「創文社」の書籍を引き継ぎ、講談社が「創文社オンデマンド叢書(そうしょ)」を創刊して注文を受け付け始めた。販売特設サイトを設け、第1弾はトマス・アクィナスの『神学大全』(全45巻)やマックス・ウェーバーの『経済と社会』(全7巻)など500点。注文に応じて1部単位で印刷、販売する。今後さらに400~500点を追加する見込みで、秋には電子版での提供開始も目指している。

 学術書の出版で知られた創文社は昨年6月に解散。せっかくの本が手に入らなくなるのを惜しんだ複数の出版社が、それぞれに刊行を引き継ぐことになった。講談社学術図書編集チーム担当部長の園部雅一さんは「学術書のように大量のニーズがない本でも、オンデマンドなら欲しい人に届けられる。出版社がなくなっても本は入手できるようになる、その可能性を示せたのでは」と話す。(川村貴大)=朝日新聞2021年6月19日掲載