元東京都知事で、運輸相や環境庁長官を歴任した石原慎太郎(いしはら・しんたろう)氏が死去した。89歳だった。
石原慎太郎が自らの「死」と向き合った作品集「死者との対話」書評 知の侮蔑の果て 責任が主題に
石原氏は一橋大在学中に発表した小説「太陽の季節」で芥川賞を受賞。68年、参院選全国区に自民党から立候補し、初当選した。72年に衆院選に転身し、環境庁長官や運輸相を歴任した。89年の自民党総裁選に立候補したが敗れ、95年の国会議員在職25年表彰で突然辞職を表明した。
99年の東京都知事選に無所属で立候補して初当選。「東京から日本を変える」と訴え、大手銀行への外形標準課税(銀行税)導入や、ディーゼル車排ガス規制など独自の施策を展開した。2020年五輪招致を目指すなか、12年に都知事を辞任した。
同年衆院選で国政復帰。都知事時代から交流が深かった橋下徹・元大阪市長と日本維新の会の共同代表に就いた。その後体調不良を訴えて入院。軽い脳梗塞(こうそく)だったことを明かしていた。
芥川賞受賞後も作家活動を続けた。「『NO』と言える日本」(盛田昭夫氏との共著)は日米関係に一石を投じ、実弟の俳優石原裕次郎を描いた「弟」はミリオンセラーになった。
朝日新聞デジタル2022年02月01日掲載