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読んでぐっすり 眠りにつく前に読みたい絵本・童話集4選

キム・サングンさんの絵本「星をつるよる」

『星をつるよる』(パイ インターナショナル)より

 眠れない夜を過ごす主人公が、光に向かって「あーそーぼー」と声をかけてみると、糸のついたお星さまがするすると降りてきます。うさぎと一緒に月から糸をたらしていると、眠れない仲間が続々と集まってきて——。
 頑張ってもなかなか眠れない。そんな夜は、いつにもまして、ひとりぼっちな気がしてしまいます。そんな夜にやさしく寄り添ってくれる絵本です。作者のキム・サングンさんは、「『私たちは決してひとりではない』ということを伝えたかった」と話します。読後にあたたかな余韻が残る物語です。

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蜂飼耳さんの絵本「うきわねこ」

『うきわねこ』(絵・牧野千穂/ブロンズ新社)より

 誕生日を迎えた子猫の「えびお」のもとに、おじいちゃんからプレゼントが届きました。箱の中に入っていたのは、赤と白の縞模様のうきわ。おじいちゃんからの手紙には、次の満月の夜を楽しみに、それまでは大事にしまっておくことと書かれています。
 いよいよ満月の夜。うきわをふくらませると、月に引き寄せられるかのように、上へ上へとのぼっていって——。のぼっていった先には、えびおと同じようにうきわに乗って空を飛ぶおじいちゃんの姿がありました。えびおとおじいちゃんの一夜の大冒険がはじまります。この冒険は夢か現(うつつ)か、どちらなのでしょうか。いろんな解釈が楽しめるのも魅力的な絵本です。

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北尾修一さん編集の絵本「よるくまシュッカ ぐっすりねむれる あいの ことば」

『よるくまシュッカ ぐっすりねむれる あいの ことば』(百万年書房)より

 デンマークで大人気の「寝かしつけ絵本」は、瞑想の呼吸法を取り入れた一冊です。主人公のクマ「シュッカ」と一緒に、(はなから いきを すって、はきます)という呼吸法や、眠りを誘う「あくび」をすることで、絵本を読み終えるころには身も心もリラックス状態に。
 作者のエミリー・メルゴー・ヤコブセンさんは、プロの絵本作家ではなく、元保育士。「だからこその作為のない、素朴であたたかみのあるタッチに惹き付けられた」と、日本語版を出版した「百万年書房」の編集者・北尾修一さんは話します。

>『よるくまシュッカ ぐっすりねむれる あいの ことば』編集・北尾修一さんインタビューはこちら

「母の友」特選童話集「こどもに聞かせる一日一話」

 雑誌「母の友」(福音館書店)で長く続く人気企画「こどもに聞かせる一日一話」。本書は、そこで紹介した作品の中から、短くておもしろい童話30話分をまとめたものです。「ぐりとぐら」や「だるまちゃん」「ぐるんぱ」など、人気絵本の未単行本化作品も収録されています。
 たくさんの童話の中から「声にしやすく、耳で聞いて楽しいもの」を選んだと「母の友」編集長の伊藤康さんは振り返ります。おやすみ前に読む読者が多いことから、眠りやあくびの話も意識して入れたのだとか。まさに、おやすみ前にぴったりの一冊です。

>『こどもに聞かせる一日一話』「母の友」伊藤康編集長インタビューはこちら