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「明けても暮れても食べて食べて」書評 食べることの楽しさ、幸せが詰まった本

評者: 吉田伸子 / 朝⽇新聞掲載:2024年11月09日
明けても暮れても食べて食べて (単行本) 著者:はらぺこめがね 出版社:筑摩書房 ジャンル:エッセー・随筆

ISBN: 9784480879219
発売⽇: 2024/09/24
サイズ: 15.8×1.1cm/128p

「明けても暮れても食べて食べて」 [著]はらぺこめがね

 もうね、ぱらぱらと本書のイラストを眺めるだけで、お腹(なか)が減るんですよ。ここに描かれた食べ物たちを食べたい、猛烈に食べたい、今すぐに!
 はらぺこめがね、というのは原田しんやさんと関かおりさんによるご夫妻のイラストユニットで、2011年に結成された。絵本の世界では既に有名なはらぺこめがねさんですが、本書は初の画文集。見開きのページに見出しと絵と文章、そしてちょこっとキャプション。このキャプションがまた、いい味わい。
 カレイの煮付け、エビフライ、餃子(ギョーザ)、コロッケ……。にっこりと笑いかけてくるような普段着の料理たちと、その料理を口にした描き手の、う~ん、これこれ!という顔が浮かんできて、思わずこちらまで、それそれ!もう、たまらんよね、と思ってしまう。
 しんやさん、かおりさんそれぞれのエッセーもお二人の人柄が伝わってきて、この二人のユニットだからこその、この一冊なんだなぁ、と納得。
 食べることの楽しさ、幸せがぎゅううっと詰まった一冊を、さぁ、召し上がれ。