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経済アナリストの森永卓郎さん死去 67歳 がん公表後も活動

森永卓郎さん=2019年12月10日、東京都中央区

 経済アナリストとして格差社会を鋭く批判し、テレビやラジオでも活躍した独協大学教授の森永卓郎(もりなが・たくろう)さんが28日、原発不明がんで死去した。67歳だった。家族葬を執り行う予定。

 東大卒業後、1980年に日本専売公社(現JT)に入り、経済企画庁(現内閣府)出向などを経て、91年に三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)に。2001年に就任した自民党の小泉純一郎首相による構造改革に異を唱え、非正規雇用の拡大などを批判した。「年収300万円時代を生き抜く経済学」はベストセラーになった。

 デフレ脱却に向けて、早くから金融緩和と財政出動が重要だと主張。自民党の安倍政権による「アベノミクス」でそうした政策が推し進められたが、実質賃金が減ったことなどを問題視し、内部留保をため込む大企業や、消費税の増税を進めた財務省への批判を強めた。

 富裕層がさらに豊かになって貧困層がふくらむ経済のあり方に、警鐘を鳴らし続けた。多数の著作やテレビでの軽妙な語り口を通して、「モリタク」の愛称でお茶の間にも親しまれた。

 ミニカーなどの収集家や牛丼研究家としても知られた。23年末にがんを公表後も精力的に活動を続けていた。

朝日新聞デジタル2025年01月28日掲載

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