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「探検家」ほか子どもにおススメの3冊 「探検」や「発見」、見方さまざま

「探検家」

 アマゾン上空を飛んでいた小型機が墜落し、子どもたちがジャングルに放り出される。探検に憧れるフレッド、生き物が好きなライラ、その弟できかんぼうのマックス、他者との間に壁をつくっているコンだ。4人は、経験も知恵もないなかで野生動物から身を守り、空腹やのどの渇き、恐怖とたたかいながら生き延びなくてはならない。

 ジャングルをさまよううちに他にも誰かがいる形跡を見つけた4人は、それをたどっていく。そして隠された都市の遺跡で、ハゲワシと暮らしている奇妙な男に遭遇する。フレッドは、この遺跡のことを発表すれば、自分に無関心な父親にも認めてもらえると気がはやる。でも子どもたちが「探検家」と呼ぶことにしたこの男は、遺跡のことは誰にも言うなと強く主張する。それは、なぜなのか?

 無人島やジャングルでのサバイバルは児童文学の一つのテーマだが、本書が一味違うのは、「先進国」の「探検」や「発見」に批判的な視点が登場すること。サバイバル物語にドキドキしながら、そこも考えてみてはどうだろうか。(翻訳家 さくまゆみこさん)

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 キャサリン・ランデル著、越智典子訳、ゴブリン書房、1870円、中学生から

「たいこどんどん」

 子どもが1人、たいこを「どん どん」叩(たた)いたら、「ぷっぷー」くまがらっぱを吹いてついてきた。「どん どん ぷっぷー」歩いていくと、「ぴーひゃら ぴーひゃら」また1人。絵巻のようにどんどん連なる愉快なパレード。音も次々重なる、つみあげうた。絵を構成するパーツは細かい手作業による切り絵で、それをデジタルに取り込んで仕上げる手法は、作者独自の「紙版画」と呼べるもの。懐かしさと新味の融合。歯切れのよいリズム、共鳴し合う音楽を読者の体に伝えます。赤ちゃんも体を揺すって喜びそう。(絵本評論家 広松由希子さん)

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 三浦太郎作、ブロンズ新社、1540円、0歳から

「あたたかな手 なのはな整骨院物語」

 新米の柔道整復師の春哉(はるや)は、なのはな整骨院で働きはじめました。近所に住む小学生のひかりちゃんが時々、体調の悪い友だちを連れてきます。その子どもたちの施術をしているうちに、春哉はひとりひとりが抱えている問題の大きさに気づき、大人として何かできることはないかと考えるようになります。春哉の目を通して語られる、いまの子どもたちが置かれている厳しい状況に心が痛みます。人と人とのゆるやかなつながりがていねいに描かれていて、読み手の心があたたかくなる物語です。(ちいさいおうち書店店長 越高一夫さん)

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 濱野京子作、偕成社、1650円、小学校高学年から=朝日新聞2025年2月22日掲載