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「かっこいいピンクをさがしに」ほか子どもにおススメの3冊 女の子色?面白い発見色々

「かっこいいピンクをさがしに」

 冒頭に登場するのは、孫息子がピンク色のランドセルを選んだのを心配する、あるおばあさんの声。

 まだまだ同じような心配をする人もいるかもしれない。でも、昔からピンク=女性の色だったわけじゃない。本書を見ると、昔は男性も桃色の着物を着ていた(光源氏も!)のに、1950年代頃からメディアの影響もあって「ピンクは女の子の色」と思われるようになったことがわかるよ。しかも、世界中でそう思われているわけではないらしい。

 本書はピンクという一つの色を切り口にして、浮世絵や現代アートや建築に使われたピンク、男性刑務所で使われるピンク、ウガンダの小学校の制服のピンク、タイでは火曜日の色とされているピンク、インドのピンクシティなどなど、様々な方向に広がっていくのが面白い。

 「色覚多様性」の積極的な意味なんていうトピックや、多様なピンク色の名前も紹介されている。絵も文章もわかりやすいし、「へえ、そうなんだ!」という発見もあるノンフィクション絵本。【翻訳家 さくまゆみこさん】

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 なかむらるみ文・絵、福音館書店、1430円、小学校中学年から

「はるかむかしにいたこども」

 山を登る家族がいる。毛皮をまとい、手には木槍(やり)。大人が洞穴で休む間に、一人の子どもが外の世界に踏み出す。緑の木々、光る川、小さな虫や大きな獣、豊かな自然を胸いっぱい吸い込む。ふと対岸の誰かに気づく。自分と似た生き物と見つめ合う。

 4万年前に絶滅したネアンデルタール人を主人公とし、ホモ・サピエンスとの出会いの瞬間に想像を巡らせる絵本だ。現代人の多くにそのDNAが残っているという。雄大な時間と、種を超えたつかの間の触れ合いは、浮世のいさかいなどささいに感じさせる。【絵本評論家 広松由希子さん】

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 チャック・グルニンク作、中野怜奈訳、光村教育図書、2090円、5歳から

「波の子どもたち」

 北朝鮮から、自由を求めて国境の川を渡った3人の若者たちの物語。移動さえ自由にできない彼らにとって、世界とつながっている青い海を自分の意志で見に行くということは自由の象徴でした。それぞれの理由から海を見に行くために「脱北」を決断した3人の若者は、不安と闘い、苦難を乗り越えて、波乱の旅へ出ます。その先に新しい未来は開けるのか気になります。13年間で100人の脱北者に会い、話を聞いて彼らの素顔に迫ったこの物語からは、作者の熱量が伝わってきて圧倒されます。【ちいさいおうち書店店長 越高一夫さん】

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 チョン・スユン作、斎藤真理子訳、岩波書店、1980円、中学生から=朝日新聞2026年4月25日掲載