英文学者の小田島雄志さん死去 シェークスピア戯曲翻訳で知られる
シェークスピア戯曲の翻訳者として知られる英文学者・翻訳家で東京大名誉教授の小田島雄志(おだしま・ゆうし)さんが8日、老衰のため死去した。95歳だった。葬儀は近親者で行った。後日、お別れの会を開く予定。
1930年、旧満州(中国東北部)生まれ。東京大英文科を経て、同大大学院修士課程を修了。同大などで教壇に立つ傍ら、英国の現代戯曲を翻訳・紹介した。
73年から「シェイクスピア全集」(全7巻)の刊行を始め、80年に坪内逍遥以来2人目となる全37作の個人完訳を果たした。この功績で芸術選奨文部大臣賞を受けた。
その訳文は現代的な言葉遣いや原文の言葉遊びを生かした文体で、時代を画す存在となった。演出家の故出口典雄主宰の「シェイクスピア・シアター」をはじめ、多くの上演に用いられた。
軽妙なエッセーを得意とし、演劇評論家としても活躍。「小田島雄志のシェイクスピア遊学」「シェイクスピアの人間学」などの著書がある。93~2007年には東京芸術劇場館長も務めた。08年には私費を投じ「小田島雄志・翻訳戯曲賞」を設立、後進の育成や顕彰にも尽力した。
95年紫綬褒章、02年文化功労者。
朝日新聞デジタル2026年06月14日掲載