学芸員の原島恵さんによると、1910年代は「子供之友」や「赤い鳥」などの子ども向け雑誌が次々と刊行され、大正デモクラシーを背景に絵本文化の礎が築かれた。第2次世界大戦を経て、60年代は絵本の黄金期、70年代は絵本ブームを迎える。90年代以降は表現が多様化したという。
戦前・戦中の貴重な絵雑誌や絵本が並ぶほか、戦後作品の多くはその絵が載っている絵本も置かれ、絵本と原画を見比べることができる。原島さんは「表現の違いはあっても、子どもたちに生きる力を与える点ではどの時代の絵本も共通している」と話す。
来年1月31日まで。開館は午前10時~午後5時。原則月曜日と年末年始が休館。入館料800円(65歳以上700円、高校生以下無料)。問い合わせは同美術館(電話03・3995・0612)へ。
(見市紀世子)=朝日新聞2017年11月25日掲載
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