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「語りべシアター」の魅力 映像や音楽で伝える街の魅力

栗本智代さん 52歳 「語りべシアター」の歩みをまとめた

 大阪ガスの研究機関「エネルギー・文化研究所」の主席研究員として、関西の街の歴史や文化を掘り起こし、語りと映像、音楽で紹介する舞台公演「語りべシアター」を20年以上続ける。その歩みをまとめた「地域愛を育てる物語のつくり方 『語りべシアター』の魅力」(創元社、本体1200円)を出した。
 経済と比べ、歴史や文化を軽視する風潮の強かった大阪で、地元の魅力に気づき、次世代に語り継げる人を増やそうと、1994年から活動を始めた。年に数回の講演ではナレーターを務めるほか、脚本も担当する。「誰もが知っていても表面しか知らない話や、街の本質につながる話を盛り込みたい」。取材に半年近くかけることもあるそうだ。歴史に興味のない人も引きつけたいと、映像や音楽を交え、五感に訴える物語を作る。
 著書では、これまでにつくった「通天閣」や「神戸・居留地」などを題材にした10本を掲載したほか、物語の編集方法や上演までの手順もイラストで紹介。「関西だけでなく、全国に自分の街が大好きな人が増え、新たな語り手づくりにもつながれば」  (渡義人)