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「クルアーンを読む」書評 イスラム世界を読み解く

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2016年02月14日
クルアーンを読む カリフとキリスト (atプラス叢書) 著者:中田 考 出版社:太田出版 ジャンル:哲学・思想・宗教・心理

ISBN: 9784778314989
発売⽇:
サイズ: 20cm/307p

クルアーンを読む [著]中田考、橋爪大三郎

 スンナ派信徒のイスラム法学者とイスラムの内側から世界を見たいという社会学者による、互いの学識をフル稼働させた建設的な対談集。副題は「カリフとキリスト」。例えば、クルアーン(コーラン)の特異な位置づけを、ユダヤ教やキリスト教との構造的違い、法学的解釈や歴史的経緯などを示しつつ解き明かす。また現代のグローバリゼーションへの反発から噴出したナショナリズムに対抗する運動としてのイスラムの普遍主義やカリフ制復興の可能性と課題も示す。ジハードとは、イスラム国(IS)が戦う思想とは何か。イランと中国の相似など、欧米キリスト教的価値観では理解しにくいイスラム世界が具体的に伝わってくる。
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 太田出版・2160円