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池井戸潤「銀翼のイカロス」書評 半沢直樹シリーズ最新作

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2014年08月24日
銀翼のイカロス (半沢直樹) 著者:池井戸 潤 出版社:ダイヤモンド社 ジャンル:小説・文学

ISBN: 9784478028919
発売⽇:
サイズ: 19cm/373p

銀翼のイカロス [著]池井戸潤

 「やられたら、倍返しだ」のセリフでおなじみの半沢直樹シリーズの最新作。東京中央銀行営業第二部次長の半沢は、頭取の指名で業績不振の帝国航空を担当する。それまで担当していた審査部次長やその上司の役員ら、不正を隠蔽(いんぺい)してきた連中を敵に回して追い詰め、追い詰められての大活躍だが、今回は、さらにパワーアップして政治権力とも果敢に戦う。
 隠蔽されてきた不正をどうするか。頭取の重い決断にバンカーの矜恃(きょうじ)をみた。
 「倍返し」のセリフは、ドラマのようには安売りしない。ここぞというときにこそ、ビシッとひと言。読んでいるこちらも「待ってました!」と声を掛けたくなる。
    ◇
 ダイヤモンド社・1620円