今年最大の発見は〈食事より先に風呂に入るとその後が楽〉ということだ。これまでの人生で、わたしは絶対に夕食より先に風呂に入るということはしてこなかったのだが、思い立って今年から始めてみた。
結論から言うと、自分には食事より先に風呂に入るのが向いていたように思う。思っていたよりも、入浴は生活の中で時間的にも場所的にも独立した行動で「なんとなく」できないし、食事の後だと、食事に完全に満足してしまって何もやりたくなくなることが多い。仕事・買い物の後の三大タスクである、食事・入浴・歯磨きの中で、いちばん後回しにしてもいいものでもある。それを最初にこなすことにすると、「風呂か……そろそろか……眠い……」と思い悩む時間も減り、精神的に楽になった、という話だ。
夕方の仕事を終えて、晩ごはんの買い物に出かける。買い物から帰ると、手を洗って買ったものを冷蔵庫にしまった後、半ば機械的に部屋着や下着やバスタオルを浴室の近くに持ってくる。どうもこの、バスタオルや風呂に入った後に着るものを速やかに持ってこられるかどうかが重要なようだ。浴室に暖房をつける。入る。
平日はシャワーで済ますことも多いので、湯張りの時間を省略しているのだが、毎日お湯につかる、という人は、帰宅して手を洗った後に、すぐ湯張りをしたらいいと思う。買ってきたものを冷蔵庫にしまったりしているうちに、いくらかお湯は入っているはずだ。
でも入浴以前に腹が減るだろう、という反論が予測される。わたしも思った。そういう時のためにバナナを用意しておく。別にバナナじゃなくてもいいんだけども、風呂用の小さいカロリーがあると気が済む。
入浴が終わると、本当に一仕事終わった、という気分で、安らかに食事ができるようになる。「このあと風呂か……」の焦燥感もない。食べるのが好きな人ほど、先に風呂を勧める。=朝日新聞2026年2月25日掲載