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「震災文学」があるとしたら

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2012年03月11日
それでも三月は、また 著者:谷川 俊太郎 出版社:講談社 ジャンル:小説・文学

ISBN: 9784062175234
発売⽇:
サイズ: 20cm/278p

東日本大震災により、甚大な被害を受けた日本列島。福島原発の事故との闘いは今後何十年も続く。大きく魂を揺さぶられた作家・詩人17人は、何を感じ何を考えたのか? あの忘れられ…

それでも三月は、また [著]谷川俊太郎・多和田葉子ほか

 あの地震と津波、そして原発事故があった日本で、作家は何を語るのか。そんな海外からの声に17人が創作で応え、日英米で同時刊行した。
 重松清「おまじない」は、かつて東北の海辺に暮らした女性を描く。友だちは、生きているのか——。彼女はある場面に遭遇して、自分が、友人が、町で息づいていることに気づく。
 日本に帰国できない未来をSFにした多和田葉子、家を流された友人の声を届けた佐伯一麦、物語にしようのない感情を吐露した小川洋子。戦後文学のような「震災文学」があるなら、それぞれの体験や想いがどれも同じではないと知るところから始まるのかもしれない。
    ◇
 講談社・1680円