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小説家の諸田玲子さんが薦める3冊 若者たちへ いま手にとってみてほしい本 

小説家 諸田玲子さん

諸田玲子さんからのメッセージ

 読書の楽しさを知っていると、知らないよりちょっと得です。私自身も本のおかげで何度も救われ癒やされました。現実逃避できるし、他人の気持ちにも共感できる。まずは、どんな本でもいいから楽しんで。

レベッカ(上)(下)

ダフネ・デュ・モーリア 茅野美ど里訳 新潮文庫 (上)990円(下)880円

 富豪の後妻となって英国の田舎の大邸宅で暮らし始めた〈わたし〉は、事故死した前妻〈レベッカ〉の影におびえる。事故死にまつわる謎だけでなく、隠されていた人間の裏側が次々と明らかに……。重厚で読みごたえがある。(書影は「上」)

明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子/斜陽日記

太田治子/太田静子 ちくま文庫 1430円

 入水した太宰治は今も変わらず世の関心の的だが、その陰で苦悶(くもん)した母娘のことはあまり知られていない。運命や人を恨まず、真摯(しんし)につつましく生きぬく姿を映し出す。治子さんの自然体の文章が胸に迫る。

修羅流し

高部務 鹿砦社 2200円

 山にかこまれた村々から海へ流れ込む急流――過酷な土地や荒れ狂う川にかじりついて生きる人々の日常を、地に足のついた骨太の文章ですくいとる。身近にこうした暮らしがあったことを忘れないよう、若者たちにこそ読んでほしい。

=朝日新聞2026年7月9日掲載