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部活を頑張っている中高生は恋をして! 志尊淳さん、「走れ!T校バスケット部」に主演

文:永井美帆 写真:有村蓮

スポーツには言葉以上の説得力がある

 バスケの強豪・H校で1年生ながらエースとして活躍した田所陽一がT校に編入してくる。陽一はH校バスケ部でいじめの標的にされ、自主退学を余儀なくされたのだった。「もう二度とバスケはしない」。そう誓った陽一だが、個性豊かなT校バスケ部のメンバーに出会い、再びコートに引き寄せられていく。

 陽一を演じた志尊さんも幼い頃から野球、水泳、剣道、サッカーと、とにかく体を動かすことが好きな少年だった。「だから、スポーツ群像劇というものに強い憧れがありました」。原作を読み、その思いはますます強くなった。「スポーツには言葉以上の説得力があると思うんです。陽一の仲間や家族、バスケにかける思いっていうのも、例えば『がんばろうぜ!』というセリフより、みんなで汗を流してプレーするほうが伝わるものがあるはず。だから、古澤(健)監督にバスケの場面をもっと増やして欲しいと伝えました」

 原作者の松崎洋さんは9巻を刊行後の2014年に急逝。65歳だった。父親の思いを継ぎ、陽一のモデルとなった長男・準さんが未完の原稿を完成させ、最終刊である10巻を発表した。「いろいろな思いが詰まった作品。息子さんが継いだ思いを今度は僕が引き継いで、しっかり陽一を演じようと思いました」

本当の部活のようだったバスケの猛特訓

 陽一を迎えた新生T校バスケ部は結束を強め、全国大会出場に向けて一気に走り出す。運動神経のいい志尊さんだが、バスケは未経験。キャプテン役の佐野勇斗さんらとともに元日本代表の半田圭史さんから約3カ月の猛特訓を受け、撮影に挑んだ。「ボールを持たずに、ひたすら基礎練習っていう日もあり、限られた時間の中でも『よりうまく見せること』を意識しました。本当の部活みたいで、休憩時間もくだらない話で盛り上がり、顧問役のYOUさんも僕らの男子校ノリに付き合ってくれました。そうやって積み上げてきた練習やコミュニケーションがそのまま作品になっている、フェイクドキュメンタリーのような映画です」

© 2018「走れ!T校バスケット部」製作委員会

 代役は一切なし。超満員の観客を前に、決勝戦でスリーポイントシュートを入れるという場面は、ゴールが決まるまで何度も撮り直した。「前日に3on33×3)のシーンを撮っていたので疲れがたまってきて、練習で出来ていたこともミスが続いてしまって。撮影中は、とにかく盛り上げようと声を出していました。決まった瞬間、全員で『やったー!』って喜んでいるのは、心からの叫びです(笑)。限界まで体を動かしたので、その後、2日くらい動けなかったですね」

「ドカベン」の岩鬼みたいだった小中学時代

 さまざまなスポーツを経験し、小中学時代は8年間、野球に打ち込んできた志尊さん。現在のスラッとしたスタイルからは信じられないが、「『ドカベン』の岩鬼みたい」な体形だったという。「今より体が大きくて、そこから18キロくらい絞りました。『ドカベン』だけでなく、有名どころのスポーツ漫画は結構読んでいて、『スラムダンク』とか『はじめの一歩』とか。すっかり影響を受けて、構えやスイングをまねしていました」

 スポーツの経験は役者業の糧になっている。「スポーツに限らず、役者をする上で無駄な経験は一つもないけど、特に身体的な能力はスポーツをしていたからこそ身についたと思っています。例えば、役で『明日からダンスをします』と言われたとしても、あまり構えないというか。最後までやり遂げるとか、諦めない強さとか、精神的にも鍛えられたし、キャッチャーだったから、全体を見渡す癖もつきました。唯一後悔しているのは、ちゃんと恋をしておけばよかったなって(笑)。男子校だったので、全く出会いがなかったんです。スポーツをする動機なんて何でもよくて、彼女が試合を見に来てくれるとか、一番パワーになるじゃないですか。だから、今部活を頑張っている中高生たちは、ぜひ恋をしてください!」

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