昔から現在まで言い伝えられてきたことわざ。有名どころは小学校でも習いますが、その数は多くても100程度なんだとか。つまり、そのほとんどがあまり知られていないのが現状です。
そんな無数にあることわざの中から、「変なことわざ」に的を絞って集めたのが「本当にある!変なことわざ図鑑」。著者の森山晋平さんがことわざ辞典を何気なく眺めた時に、「挨拶より円札」「商いは牛の涎」など全く知らないことわざがたくさんあったことが本書を制作するきっかけになったのだそう。「一冊にまとめたら楽しそう」「自分が読みたい」との思いで、357個もの「変なことわざ」を集め、教訓や豆知識、類句などと共に紹介しています。森山さん曰く、「いくら『変』なものでも、ことわざは昔から言い伝えられてきた言葉。共感できたり、意味が奥深かったり、語呂がよかったりなど、何かしら人の心に響くものが多い」のだとか。
森山さんのお気に入りの一つは「尻が来る」。言葉のストレートなイメージはちょっとお下劣ですが、意味は「責任を負わされる。苦情を持ち込まれる」と、まっとうです。
絶対に必要ではないけど、その無駄さ加減からくる面白さがじわじわとしみてくる本書。イラストレーターの角裕美さんによる絵も変かわいくて、見ていて飽きません。ことわざを通して、日本語の奥深さや面白さに改めて触れてみてはいかがでしょうか?