詩人の最果タヒが百人一首を現代語訳するなかで感じたことをつづったエッセー『百人一首という感情』(リトルモア・1620円)が刊行された。昨年、『千年後の百人一首』(アーティストの清川あさみとの共著・同社刊・1728円)で現代語訳に挑んでいたが、今回は、歌を詠んだ人たちに「ふと言いたくなったこと」などをまとめた。「君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな」では、愛に殉ずる物語を読んで「落ち着けよ、ふたり!」と思ったことを思い出し、「夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」では、男友達からの好意的なLINEに「明日学校で会うやん」と冷静に返した感じ?と想像をめぐらせる。恋愛、四季、人生論……。読むほどに千年前の人が身近に感じられて面白い。
京都の建仁寺山内・両足院では『千年後の百人一首』に収録された、清川が布やビーズで制作した原画展が開かれている。最果の現代語訳は南果歩の朗読で楽しめる(10日まで)。(加来由子)=朝日新聞2018年12月1日掲載
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