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「PとJK」には“うらやましい”がつまっている 空手・植草歩さん(前編)

文・熊坂麻美、写真・佐々木孝憲

私も「好き好き」されたーい!

――『PとJK』は前から好きだったのですか? この作品は読んでいると思わずニヤニヤしてしまうのですが。

 めっちゃキュンキュンですよね。私は最初、亀梨(和也)くんと土屋太鳳ちゃんが主演した映画版が気になっていたんですけど、試合が忙しくて観に行けなくて。それで原作の漫画を読んでみようと思って、海外の大会に行く前にスマホでダウンロードして飛行機の中で一気に読みました。主人公のカコちゃんと功太が1巻でいきなり結婚しちゃうし、「ポリス(P)とJK(女子高生)、あり得ないでしょー!」とか思いながら(笑)、面白くて引き込まれました。

――『PとJK』で描かれている、立場や年齢を超えた恋愛についてはどう思いますか?

 よくあるのは、学校の先生を好きになるパターンですけど、自分はなかったですね。コーチや監督を好きになることもないですし(笑)、警察官とも出会ったことがないから、どうなんだろう? ただ、年上の人はいいなと思います。女の子にとって、落ち着いて包容力のある男性は絶対魅力的ですよね。

――カコちゃんのことを好きな功太と大神くん。植草さんはどちらがタイプ?

 大神くんです! ちょっと不良っぽいけどカコちゃんに一途で、まっすぐ「好きだ」って気持ちを伝えるところが、もうヤバい(笑)。私も、こんなに「好き好き」される恋愛したいよーって思いました。

 でも、功太も硬派でかっこいいです。合コンで出会ったカコちゃんが未成年とわかって、すぐに家に帰したところとか、誠実だなあと。大神くんもですけど、こんなかっこいい人、現実にいるのかなって。いないですよね(笑)。

「PとJK」4巻、P154-155より ©三次マキ/講談社
「PとJK」4巻、P154-155より ©三次マキ/講談社

――イケメンふたりに好かれる展開もそうですが、現実ではなかなか味わえない世界だから楽しめる、というのはありますよね。

 そうだと思います。自分も『PとJK』みたいな世界とはまったく違う高校生活を送っていました。ほぼ毎日部活で放課後すぐに帰れることがまずあり得ないですし、恋愛中心の生活とはほど遠くて……。こういう少女漫画には、自分が経験できなかったことがいっぱいつまっているから、「うらやましい~」とか「いいな~」って思いながら読むのが楽しいです。

始めて読んだ漫画は『クレヨンしんちゃん』

――ほかにはどんな少女漫画が好きですか?

 『スプラウト』や『先輩と彼女』とか。昔、お姉ちゃんが持っていた漫画をこっそり私も読んでいたんですけど、その続きを携帯でダウンロードして読んだりしています。『宇宙を駆けるよだか』も面白いです。かわいい女の子と、あまりかわいくない女の子が入れ替わってしまう話ですが、かわいい女の子を好きだった男子が、外見が変わっても性格はそのままだからと、その子を好きでいてくれるんです。「なんていい男なんだ!」と思って感動しました。やっぱり内面が大事だよなあと、考えさせられましたね。

 あと、少女漫画じゃないですけど『クレヨンしんちゃん』は子供の頃に母が買ってくれて初めて読んだ漫画。今でもずっと好きです。

――『クレヨンしんちゃん』は面白いですよね。どんなところが好きですか?

 私、しんちゃんが大好きなんです。5歳なのにやることも言うことも奇想天外。女好きできれいなお姉さんをナンパしたりして、とにかくかわいい。お父さんとお母さんもかわいらしくて、こういう家族っていいなと憧れます。描かれているのは身近にありそうなエピソードばかりだから共感しやすいし、何度読んでも笑っちゃって。ほんわかした気持ちになれます。

 子どもの頃からアニメも見ていて、テレビ放映のある毎週金曜が楽しみでした。今でもしんちゃんとドラえもんはセットで録画しています。昔から、空手がしんどくなるとアニメを見たくなるんです。今も競技から離れてリラックスしたいときは、『クレヨンしんちゃん』を見て、笑って癒されています。

>後編「強くて輝く選手になって2020年、金メダルを」はこちら