角川文庫で昨年新装された手塚治虫『火の鳥』が全14巻で計20万部を超えた。「永遠に生き続ける作品と実感した」と担当編集者の岸本亜紀さん。災害、科学技術、宗教……。「今こそぴったりの内容。発表当時は早すぎたのではと思うほど」と話す。
新装版は大島依提亜(いであ)による手塚の絵を生かしたデザイン。最終稿を元に汚れやルビの潰れを修正し、映画の資料や未完のバージョン違いなどを収めた別巻を追加した。巻末に萩尾望都や今日マチ子などのトリビュート漫画、手塚の言葉や中野晴行の解説で時代背景や各編の位置づけも示す。
60~70代が多かった読者の反応は次第に若返り、学校の図書館で読んで、本が欲しくなったと10代からのはがきが届くほどに。岸本さんは「新旧どちらの読者も、自分たちの課題が示されていると感じるようです」。常に新しく、何度でもよみがえる。それが不死鳥なのだ。(滝沢文那)=朝日新聞2019年4月20日掲載
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