革のトランクに絵本を詰め込んで全国を駆け回ること13年。「聞かせ屋。けいたろう」として活動する元保育士の坂口慶さん(36)=東京都荒川区=の「読み聞かせライブ」が今、人気を集めている。
「かえるが……ぴょーん」。埼玉県新座市で19日に開かれた乳幼児向けのイベント。ページをめくるたびに動物が跳び上がる「ぴょーん」(まつおかたつひで作・絵、ポプラ社)の読み聞かせでは、「ぴょーん」の言葉が出るたびに、あちこちで子どもが高々と抱き上げられた。
読み聞かせの合間には、「『ぱぴぷぺぽ』『まみむめも』と唇をくっつけて出す音は赤ちゃんも喜びます」とアドバイスも。ウクレレを片手に歌や手遊びも織り交ぜ、子どもたちの反応を見ながらその場で読む絵本を決める。「ライブ」のような進行に、子どもたちからは「いえーい!」の声があがった。
以前は大人向けに路上で読み聞かせをしていた。徐々に人気が広まり、全国の保育所や書店などから声がかかるように。今は1児の父になり、「ふれあいのきっかけになれば」と親子向けイベントに精を出す。
公演予定はホームページ(https://kikaseya.jp/)へ。インスタグラム(@kikaseya.keitaro)ではおすすめの絵本も紹介している。(伊藤舞虹)=朝日新聞2019年5月29日掲載