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「アーノルド・ローベルものがたり がまくんとかえるくんとぼく」ほか子どもにおススメの3冊 絵本作家の生涯わかりやすく

「アーノルド・ローベルものがたり がまくんとかえるくんとぼく」

 アメリカでは、最もすぐれた絵本作品に与えられるのがコルデコット賞、最もすぐれた児童文学作品に与えられるのがニューベリー賞ですが、ローベルは、オナー(次点)まで含めるとその両方を何度も受賞しています。

 この絵本は、幼少のローベルが靴下を濡(ぬ)らして病気になる場面で始まりますが、彼は長い入院生活の中で絵を描く面白さに目覚め、学校ではいじめにあって本の世界に逃れ、美術学校卒業後にアニタと結婚して共作絵本を出すかたわら、生活を支えるために大嫌いな会社勤めも経験し、後には男性の愛人がいることを妻子に告げ、やがてエイズを発症してパートナーに看病されながら亡くなります。

 ローベルに憧れる作者は、自分にも他者にも誠実なこの絵本作家の生涯を、子どもにもわかる表現で伝えています。また、世界中で人気の「がまくんとかえるくん」シリーズをはじめ、100点近い作品が、どんなふうに生まれてきたかを楽しい絵と文で紹介しています。巻末には邦訳も含めた作品リストもついていますよ。【翻訳家 さくまゆみこさん】

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 エミー・キャスナー作、長友恵子訳、文化出版局、1760円、8歳から

「やねの上のカールソン」

 ある日、リッレブロールの部屋に、背中についてるプロペラで空を飛ぶことができるおじさんがあらわれました。小ぶとりで、くいしん坊で、自信たっぷりの彼こそが、やねの上のカールソンです。とんでもない行動ばかりするカールソンに、まじめで正義感の強いリッレブロールはハラハラさせられっぱなしですが、一緒に遊ぶことを楽しみにしていました。子ども時代にこんなにゆかいな友だちがいて、たっぷりと楽しい時間を過ごすことができたら、それは最高にシアワセなことです。【ちいさいおうち書店店長 越高一夫さん】

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 リンドグレーン作、ヴィークランド絵、石井登志子訳、岩波書店、2200円、小学校中学年から

「ちきゅうちょうさだん」

 はるか彼方(かなた)の星からやってきた二人組の調査団。地球の物をUFOにどんどん吸い上げていく。なるべくいろんな種類の物を集めようと工夫して「条件」をコンピュータに入力。すると「ピピピピピ……!」。

 食べ物や乗り物から始まり、色や動き、言葉に着目した意外な条件のグルーピングも。細かく描き込まれた物たちが、町の上空に浮かび上がるシュールな構図も愉快でつぶさに見たくなる。条件の当てっこや絵探しゲーム、見返しのマンガやカバー下に隠された謎に至るまで、とぼけた遊びが尽きません。【絵本評論家 広松由希子さん】

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 大串ゆうじ作、偕成社、1760円、5歳から=朝日新聞2025年12月27日掲載