作家らが自作の読み聞かせ実演
絵本の読み聞かせのコツを絵本作家に学ぶ「つきじ読書会」(朝日新聞社主催)が6月2日に東京・築地の朝日新聞東京本社であった。
ポプラ社の「1分えほん」シリーズが題材。作品を寄せている絵本作家の柴田ケイコさん、ミスミヨシコさん、原田しんやさん・関かおりさんの夫婦イラストユニット「はらぺこめがね」の3組を先生に迎えた。0、1歳児を中心とする未就学児とその家族の17組46人が参加。
柴田さんは小学生と中学生、ミスミさんと「はらぺこめがね」夫妻は1歳児の子育て真っ最中だ。ミスミさんは「子どもが手持ち無沙汰な時、『読む?』と聞きます。寝る前にも読むようにしています」、原田さんは「娘が絵本を持ってきてひざの上に乗ってきた時」と語る。
子どもが本をおもちゃにする、散らかすなどの悩みをもつ人も多いが、柴田さんは「子どもたちが小さい頃は、本をやぶいたり、仕掛け絵本の穴に手を入れたりしていました。でも、めくる楽しみを味わってほしいので、まずはおもちゃの感覚で与えました」。
4人による『1分えほん どれがすき?』(0~1歳向け)の自作読み聞かせ実演では、柴田さんはパンダが道々いろいろなものに遭遇する「てくてくパンダくん」を、「お子さんと一緒に楽しんで下さい」と身ぶりを交えて。「ぽっこぺっこ」と歩く場面では体を左右に揺らし、「どてーん」と仰向けになる場面では体を反り返し、参加者たちも体を動かしながら聴き入った。
ミスミさんの「みつけたよ」(文・新井悦子さん)は赤ちゃんがハイハイやあんよをしながらステキな物を見つけていく。ページをめくると……。「何があるか指さしながら見ると面白いですよ」とミスミさん。
「はらぺこめがね」の作品は「しょくぱんだいすきオノさん」。オノさんが作った食パンを食べるまでの過程がたまらない。「お父さんとお母さんで変化をつけて読んであげましょう」。関さんがオノさんの動作の場面を読むと、原田さんがバターを塗るときの「ずざざ」や、食べているときの「のぐのぐ」を挟み込む。
頑張りすぎず、自由なスタイルで一緒に楽しんでほしいという絵本作家たちのエールに、参加者からは「もっと本を読んであげたい」などの感想が寄せられた。(山根由起子)=朝日新聞2019年6月29日掲載