デザイナー、キュレーター、アーティスト、家具職人、料理研究家……などなど、この本にはクリエーティブな仕事で自立する112人のアメリカ人女性が登場する。
「ビジネス系のイベントや本に登場する女性起業家はたいてい、若い白人女性たち」。そんな状況に疑問を持った著者は「世の中にはもっとバラエティに富んだ、もっと多くの選択肢がある」と、この“仕事図鑑”を編んだ。
インタビューに臨んだ相手は、19歳から94歳まで。「有色人種」「LGBT」「心身に障がいのある」女性たちが当たり前のように登場する。出身、経歴はさまざまだが、誰もが会社に雇われるのではなく、リスクを取って好きなことを仕事にし、そして成功した、という点で共通する。
働き方改革、というよりは、企業の体力低下で、終身雇用制が崩れようとしている現在、会社に頼らない生き方を、みんなが模索している。日本の読者にとっては、アメリカというフィルターが、やや非現実的ではあるが、それゆえ世知辛い現実を超えた「夢」を見させてもくれる本。
彼女たちの笑顔の背景に、他人の足を引っ張らない、というアメリカの懐深い文化が息づいている。=朝日新聞2019年7月6日掲載
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